季樹歳彩-写真歳時記

きぎさいさい

アジサイ

これからの雨の季節にはやっぱりこの花でしょうか。

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’06. 6.17. 埼玉県熊谷市の能護寺。当時の資料で約70種類800株のアジサイ

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’12. 8.10. 北海道伊達市。巨木を訪ねた善光寺アジサイが満開…

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’15. 6.20. 下の写真とともに埼玉県ときがわ町

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雀川砂防公園はアジサイが見もの。

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’06. 7.25. 福島県南会津町。ヒメサユリの終わった高清水自然公園にて。

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’00. 7.27. 福島県猫魔ヶ岳。野生のエゾアジサイ

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’06. 7.27. 山形県米沢市ガクアジサイの園芸種。

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’16. 7.24. 岐阜県ひるがの高原にて。

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’15. 6.20. 以下の写真とともに群馬県下仁田町

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国道沿いの斜面の下仁田あじさい園には2万株のアジサイが咲き揃います。

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有料になりますが、園内散策は見応えがあります。

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これだけ大きな花がこんなに固まっていたら、ちょっとうるさくなりそうなのに、意外にアジサイは悪くありません。野生ではありえない群生。野生種も多くて、それなりにきれい。ただ、雨の季節のアジサイは、園芸種の方かもしれません。

カラマツ

カラマツは在来種で唯一の落葉針葉樹。毎年芽吹いて、新緑も美しい…

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’94. 5.12. 草津、本白根山。広葉樹に遅れてカラマツも芽吹きます。

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’95. 5.26. 浅間山麓。既に小さな松かさのような雌花。

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’95. 6.17. 浅間山麓。葉を伸ばし、花も大きく、…もう実でしょうか。

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’97. 7. 6. 浅間山麓。成長した実。去年の実とあまり変わらない大きさ。

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’17. 5.29. 根子岳。細い葉をいっぱいに広げて、美しいデザインのよう…

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’99. 6. 9. 湯ノ丸高原にて

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上の写真と同じ日。新緑のカラマツ。

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'03. 7.22. 湯ノ丸高原。枝を伸ばすと叢生していた葉がまばらに…

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上の写真と同じ日。烏帽子岳に登った帰りは霧。カラマツの林は幻想的に…

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’16. 6.17. 浅間山麓。新緑の山のカラマツの巨木。

乾燥した高原によく似合うカラマツ。植林が多いのですが、天然林もあります。日当たりを好む陽樹。火山の荒涼とした砂礫地にもよく侵入して、ガンコウラン、クロマメノキ、コケモモなどに混じって、盆栽のような幼い木を見ることもあります。風の強い稜線では樹形を乱しながら堪えるような姿を見せたり、時に驚くような巨木になって現れたりもします。

ハクサンイチゲ

山を飾るハクサンイチゲ。山の花の季節が始まります。

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枯野に芽吹くハクサンイチゲ。 ’95. 5. 9. 浅間山にて

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開ききらない葉の間につぼみが見えます。 ’96. 5.23. 浅間山にて

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やっと芽吹くほかの植物に先駆けて、もうつぼみをつけています。

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咲き始めているものも… ’00. 6. 6. 2枚とも平標山にて

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ハクサンイチゲの花。 ’92. 6.12. 下の写真とともに高峰高原にて

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時間差で咲いて確実に子孫を残そうとしています。

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群生するハクサンイチゲ。 ’96. 6.20. 浅間山にて

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イワカガミやシナノキンバイなどとお花畑を作ります。 ’03. 8. 6. 北アルプスにて

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時には大群落になって… ’89. 6.24. 飯豊連峰にて

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鷲羽岳も見える稜線のお花畑。 ’96. 7.25. 北アルプスにて

飯豊連峰のものはエゾノハクサンイチゲでしょうか。東北、北海道、サハリンに分布するもの。ハクサンイチゲは本州中部に分布。でもよく似ています。イワカガミとしたものもコイワカガミとすべきかもしれません。厳密な区別はなかなかできないでいます。知りたい、区別できるようになりたいとは思いますが、まずはカメラを向けることが先。写真以上にきれいな景色、いい場所だったりもするんですよ…

サクラソウ

春を告げるように咲くサクラソウ。高い山ではこれから花が咲きます。

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人の生活圏と重なって生息域を失ったサクラソウ。埼玉県の荒川河川敷で保護され、咲き揃う花。 ’05. 4.20.

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実家から分けてもらった園芸種のサクラソウが、毎年花を咲かせます。長野県小諸市の自宅で、もう20年以上。 ’17. 4.27. 多くの園芸種。様々な色の花。プリムラと呼ばれています。

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南アルプス深南部の池口岳(標高2392m)のクモイコザクラ。 ’10. 6.11. これでちょうど今頃。2000mを越える山でも春を迎えます。

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北海道の日高山脈。特産種の多いアポイ岳(標高811m)のヒダカイワザクラ。アポイコザクラともいい、この周辺にしかありません。 ’07. 5.23.

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これもアポイ岳で同じ日に撮ったエゾオオサクラソウこちらは北海道東部に広く分布します。

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これもアポイ岳。サマニユキワリ。日高南部特産。葉は小さく細いけれどサクラソウタイプ。 ’07. 5.10.

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浅間山ユキワリソウ。春の花らしい美しい名前。新潟ではオオミスミソウなどをユキワリソウと呼んでいたりします。日本固有ですが、北海道から九州まで、広く分布します。 ’97. 6.22.

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東北の山に分布するヒナザクラ。南八甲田のもの。湿地などに群生して、小さくてかわいい。 ’00. 6.29.

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東北・飯豊(いいで)連峰のハクサンコザクラ。 ’09. 8.20. 夏まで雪が残れば、花が秋めいてきても、サクラソウの仲間が咲き残っていたりします。

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十勝連峰のエゾコザクラ。 ’00. 7.15. 小さな花ですが、一面に咲き揃うと見事。高い山でも雪が融ければすぐに咲き出すので、やはり春を告げる花。でもそれが7月になったり、8月になったり…

様々な園芸品種が出回っていて、自宅で育てている方も多いかもしれません。それだけ馴染みの花。自然のものも種類が多く、山野草だけでなく、高山植物もあってそれぞれ魅力的。小さくても目を惹きます。まだ出会っていない種類も多くあるのですが、よほど有力な情報でもないと、なかなか探せません。

あやめ

あやめの仲間も数多くあります。

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イチハツ  ’16. 4.18. 奈良県御所(ごせ)市 鴨津波(かもつわ)神社にて

あやめの中では最も早く咲くので一初。中国原産です。

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アヤメ  ’14. 7. 8. 長野・群馬県境 湯ノ丸高原にて

2000mを越える標高でも咲くので、そんな場所では遅く咲くことになります。外花被片の付け根が文目模様になるのでアヤメ。アヤメ科アヤメ属のアヤメという種。あやめというとどのカテゴリーを指すのか混乱します。一般的、文学的表現もあるし…

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ヒオウギアヤメ  ’00. 7.11. 北海道 夕張岳にて

アヤメでは大きく立ち上がる内花被片が、ヒオウギアヤメでは小さいので目立ちません。

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ニオイアヤメ  ’00. 6. 3. 長野県小諸市 自宅にて

近所でも見る白いアヤメ。名前も分からず育てていたのですが、南ヨーロッパ・南西アジア原産のニオイアヤメというものらしい…

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キショウブ  ’14. 5.25. 山梨県甲府市 酒折宮にて

こちらもヨーロッパ原産。よく見るし、名前も和名か、中国原産くらいに思ってしまうのですが…

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オランダアヤメ  ’13. 5.25. 小諸市 自宅にて

オランダで作られた園芸種。ダッチアイリスともいいます。ヨーロッパ原産の数種を交配したもの。奥に見えるのはジャーマンアイリス。ともに色々な花が作られています。

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アフリカヒメアヤメ  ’17. 4.16. 長野県御代田町にて

友達に教えられて道端で撮ったもの。小さくて花のつくりもアヤメとは違っています。でもアヤメ科。帰化植物の図鑑にあるので、これから増えるのかも…

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カキツバタ  ’11. 5. 1. 愛知県知立(ちりゅう)市にて

在原業平ゆかりの八橋(やつはし)カキツバタ。杜若。燕子花。花で布を染めたので書付け花。その転訛。外花被片の付け根に白い斑紋があります。

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ハナショウブ  ’09. 7.14. 長野県 蓼科・八子ヶ峰にて

外花被片の斑紋は黄色です。菖蒲と書いてあやめと読んだり、しょうぶと読んだり。また、ショウブはサトイモ科の植物で、菖蒲湯に使われます。

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ハナショウブ  ’15. 6.20. 埼玉県ときがわ町にて

ハナショウブを改良した古くからある園芸種。やはり外花被片の斑紋は黄色。名前はこちらが大元のようになっています。サトイモ科のショウブのような葉で、美しい花を咲かせるのでハナショウブ。意地悪で名前をつけたわけではないでしょうけれど、何せ万葉の頃まで遡らなければならなかったりもするわけで、厄介なことになっています。謎解きとして楽しめればいいのですが…

江戸時代に園芸ブームがあって、多くの園芸種が作られました。その後、海外からも輸入されて、様々なあやめが見られるようになっています。多くの人に愛される花、魅力的な花といえそうです。

ムシカリ

スイカズラ科のムシカリ。オオカメノキとも呼ばれ、山ではこれからの季節に白い花を咲かせます。その冬芽はまだ葉が残る頃に、既に準備されています。

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’13. 11. 1. 福島・新潟県境 本名(ほんな)御神楽岳にて

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’09. 3.12. 長野県 蓼科山にて(以下2枚の写真も)

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ムシカリは裸芽。鞘に包まれていません。

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既につぼみも。霜にやられる新芽もあるのに、こんな姿で冬を越します。

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’00. 6. 6. 新潟・群馬県境 平標(たいらっぴょう)山にて(以下3枚も)

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バルタン星人…。そんな連想をするのは私だけでしょうか。

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葉にもつぼみにも変化が見られます。

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既に葉を広げて…

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’02. 5.25. 平標山にて

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’00. 6. 6. 平標山にて

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’02. 5.25. 平標山にて

ムシカリの冬芽から花が咲くまでを並べてみました。山は標高差があるので、同じ日でも様々な状態を見ることができます。

タンポポ

f:id:notahiro:20170524082130j:plainセイヨウタンポポ  ’17. 4.21. 群馬県高崎市、小串にて

よく見ればきれいな花。旺盛な繁殖力で雑草、駆除の対象にもなっています。

f:id:notahiro:20170524082825j:plainセイヨウタンポポ  ’07. 5.24. 北海道芽室町、芽室公園にて

在来種との交雑がかなり進んでいるんだとか…

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セイヨウタンポポ  ’05. 4.30. 群馬県渋川市にて

でも、もうすっかり風物詩。いい被写体です。

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カントウタンポポ  ’03. 5. 3. 群馬県沼田市にて

推定樹齢1500年と言う薄根の大クワのそばで見つけた在来種。

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カントウタンポポ  ’14. 4.11. 群馬県下仁田町、御堂山にて

総苞外片が反り返るのがセイヨウタンポポ

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シロバナタンポポ  ’06. 4. 8. 島根県松江市にて

西日本では普通に見られるという白花のもの。

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フタマタタンポポ  ’12. 7.26. 北海道利尻山にて

タンポポにも種類があります。フタマタタンポポは別属ですが、高山植物にもタンポポの仲間があります。

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綿毛  ’07. 5.24. 芽室公園にて

次々に花を咲かせ、次々に実を結んで…

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綿毛  ’17. 5.11. 長野県佐久市、閼伽流(あかる)山にて

でもいい被写体。機能性も兼ね備えた造形美、かな。

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地面に座り込んで撮っていたら、陰から現れた小さな怪獣。綿毛の上を普通に歩いているし…。