季樹歳彩-写真歳時記

きぎさいさい

尾白川渓谷

南アルプス甲斐駒ケ岳を流れる尾白川渓谷…

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轟く水の音。岩の割れ目を落ちる滝。険しい谷。近づけない…

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歩ける河原はほとんどない…

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高巻いて上流へ。きれいな水の流れ…

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深い谷。叩きつけるような滝と、プールのような美しい水…

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小さな滝も近付けば迫力…

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高巻く道から時折渓相ががのぞく…

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えぐるような渓谷…

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滝の落ち口…

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大きな滝もある…

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秋深まる…

2011年11月22日の撮影です。とてもきれいな渓谷ですが、地形自体が険しく、今年の台風などで道がどうなっているのか分かりません。甲斐駒ケ岳に向かう登山道も崩れたらしい…

ナナカマドの実

秋の紅葉が目を惹くナナカマドの木。その赤い実…

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’89.10. 6. 南アルプスにて まだ葉は緑…

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’17. 9.25. 内山峡にて 高山だけに生えるわけではないらしい…

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’95.10. 2. 浅間山にて 葉も色付き始めている…

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’18.10. 3. 四阿山にて 葉の発色は地域や年毎にかなり違う…

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たわわに実る実…

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’18.10.22. 鍬崎山にて 鮮やかな紅葉は見られず…

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枯れてしまうことも、よくあること…

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やがて葉を落とし…

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’95.10.26. 浅間山にて 実ばかりを残す…

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’88.10.14. 苗場山にて そして冬を迎える…

高い山で見事な紅葉を見せてくれるナナカマドの木。でも紅葉は年毎に良し悪しが顕著です。紅葉が見事だと紅葉にばかり目が行って、実は見ていなかったりします。鮮やかな赤に紛れてしまうのです。だから実を撮っている年は、紅葉不作の年だったりするかもしれません…

きのこ

秋の山。キノコの季節…

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撮ってきた写真を図鑑と見比べます。これ、タマゴタケだ…

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美味しいキノコ。でも現場で分からないと、採ってくることもできません…

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去年紹介した写真もタマゴタケ。食べたかった…

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タマゴタケは毒キノコが多いテングタケの仲間。卵のようなものから発生します。それが根元に残ってつぼになります。ひとつ前の写真に写っています…

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こんな風に出てくるキノコもあります…

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傘の裏側を覆う膜が軸に残るとつばと呼ばれます…

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ホコリタケも若いものは食べられるらしい…

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同じ日、同じ山で撮ったもの。残骸のようなホコリタケ…

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ハナビラタケも可食。でもこれは古い。食菌でも古かったり、傷んでいたりして、食中毒になったりすることもあるらしい…

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写真で見るとマスタケなんかに似てるけど、薄くてやや小さい…

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マスタケなら茹でこぼせば食べられるらしい。でも別物か…

図鑑によって同じキノコでも食べられるとしていたり、毒キノコとしていたり、判断が分かれるものがあります。マスタケなどでは茹でこぼしたり、火を通すことで食中毒成分は消せるらしいのですが、その成分を毒とすれば間違いなく毒キノコとなります。写真は前に紹介した1枚を除いて、去年9月に山で撮ったものです…

ホテイアオイ

2013年9月22日、道の駅大利根の近くでホテイアオイを見ます…

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水草は夏と勝手に思い込んでいたのですが、花期は8-10月…

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熱帯アメリカ原産の外来種。見事な群生…

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1日で咲き揃い、翌日には花茎ごと水没…

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わずかに水面が見えるものの、旺盛な繁殖力…

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朝早かったので、枯れた花も残っている…

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被写体としては最適…

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写真に向いた花かもしれません…

旺盛な繁殖力は水の流れを滞らせたり、漁業に影響が出るほど。枯れたあとの水質の悪化、悪臭が問題になることもあるそうです。一方で、日本では越冬が難しい地域も多く、住民の協力で毎年花を楽しめるようにしている場所も…

トリカブト 白花

2018年9月12日、佐久地方の山、茂来(もらい)山へ…

f:id:notahiro:20190906102121j:plainヤマトリカブトでしょうか。それも白花…

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葉が枯れかけているのに、花はしっかり咲いています…

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普通の青紫もあるのです…

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でもここでは、白花が優勢…

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登るにつれ、さらに多くなります…

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霧が深くなり、幻想的…

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人にも出会わず、深い山の中にただひとり…

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見慣れない白花…

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毒草といわれるトリカブト

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異界に迷い込んだような、恐ろしさを感じてしまいます…

あいにくの天気。でも深い霧は面白い写真が撮れたりします。久しぶりに季節を変えて茂来山へ。ここで白花のトリカブトに出会います。山ではよく見るトリカブトですが、白花は初めてでした。それも大量に。すっかり葉が枯れて、花だけ咲いているものもありました。絵にならないと思って撮らなかったけどそういうのも撮っておくべきだったかもしれません…

トリカブト

花の少なくなる秋に咲く花。猛毒というけれど、きれいで不思議なつくり…

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’12. 8. 9. 日高山脈にて エゾトリカブトでしょうか…

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まだつぼみも多い…

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多くの花が固まりになって咲いています…

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神威岳に登ると、ヒダカトリカブトでしょうか…

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’03. 8.  7. 北アルプスにて これはミヤマトリカブトか…

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’11. 9.28. 浅間山にて ヤマトリカブト

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’15. 9.22. 冠着山にて ヤマトリカブトサラシナショウマ

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’18. 9. 6. 八子ヶ峰にて ヤマトリカブト

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これも花は大きな固まり。先端には若い実…

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’18. 9. 6. 女神湖にて これもヤマトリカブト

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随分実になっています。台風の影響もあって、少し倒れています…

猛毒として有名ですが、山では普通に見る花。ただ種類は多く、特定するのは難しい花です。花のつくりも独特。淋しくなる山の秋を彩る花です…

リシリリンドウ

高山で見るミヤマリンドウ…

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’17. 7.18. 大雪山にて 花冠は5裂。副片とともに平開…

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副片が細かく裂け、花冠をふさぐのがリシリリンドウ…

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上から見るとこんな感じ…

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横から。小さな花。でもかなりの頭でっかち…

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副片がやや白い…

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少し開いて中が見える。つぼみが多く、これから…

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’12. 8. 3. 大雪山にて 年は違うものの、約半月後…

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大きな株。1個体かは確認しなかったけど…

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こんなのも見つけました…

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重弁化?突然変異?交雑?

リシリリンドウというので、高山に取り残されたミヤマリンドウあたりが、利尻山とかで進化して生まれたものかと思ったら、大雪山などの中央高地や夕張岳に分布するだけでなく、東北アジアにも分布します。高山で比較的普通に見られるミヤマリンドウの方が日本固有。この辺りの経緯が解明できたら、面白いと思うのですが…